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R4年度年金支給額の改定

R4年度国民年金、厚生年金支給額は対前年 0.4%となりました

令和4年度年金支給額の改定

 令和4年121日に厚生労働省から、令和4年度の年金額改定についてのプレス・リリースが為されております。それによると令和4年度の年金額は、令和3年度に対して▲0.4%で改訂されることとなりました。以下、当該要点について、触れさせていただきます。お目通しいただければ幸いです。

令和44月以後1年間の年金額は、対前年▲0.4%で改訂

 

 令和34月からの年金額の改定ルールは、支え手である現役世代の負担能力に応じた給付

とする観点から、物価変動率>賃金変動率の場合には賃金変動に合わせて改定されることにな

ります。

 令和4年度の年金額の改定は、物価変動率(▲0.2%)>賃金変動率(▲0.4%)のため、 賃

金変動率が適用され▲0.4%になりました。 マクロ経済スライドの調整率▲0.2は、前年の

キャリーオーバー分▲0.1%と合わせて▲0.3%として翌年以降に持ち越されます。

 

R4年度の参考指標

     

①物価変動率(▲0.2%)=「令和3年平均の全国消費者物価指数」(含生鮮食品総合指数)

 ②名目手取り賃金変動率(0.4%)=物価変動率(0.2%)X実質賃金変動率(0.2%)
   
X可処分所得変化率(0.0%)

 ③マクロ経済スライド調整率(▲0.2%)=公的年金被保険者数の変動率(0.1%)
   
X平均余命の伸び率(▲0.3%

 ④来年度へのキャリーオーバースライド調整率(▲0.3%)= R3年度キャリー
   オーバー(▲0.1%)+ R4年(▲0.2%)


   令和4年度の年金は、令和3年度比▲0.4%となります             (単位:円)

R3年度

R4年度

前年差

前年比

国民年金 

(老齢基礎年金)

(満額)

780,900

777,800

▲3,100

▲0.4

65,075

64,816

▲259

加給年金(配偶者。

12人目)

(満額)

224,700

223,800

▲900

18,725

18,650

▲75

加給年金額 

 (3人目以降)

(満額)

74,900

74,600

▲300

6,242

6,242

▲25

配偶者特別加算込

(満額)

390,500

388,900

▲1,600

(S18.4.2以後)

32,567

32,542

▲134

中高齢寡婦加算

 年額 

585,700

583,400

▲2,300

48,858

48,808

▲192

厚生年金(単身)

年額

1,084,152

1,079,540

▲4,612

90,346

89,961

▲385

厚生年金(含夫婦2

の老齢基礎年金)

年額

2,645,952

2,635,140

▲10,812

220,496

219,593

▲903

     

  ※厚生年金額については、賞与を含む平均標準報酬月額を43.9万円で、40年間就業

      した場合に受給可能な年金額として、夫婦2人分の老齢基礎年金(満額)を受給でき

      るとして試算

 2)国民年金保険料(月額)
R3年度保険料 16,610(16,900円+100) X 0.977 対前年+70
R4年度保険料 16,590(16,900100) X 0.976     対前年▲20
・R5年度保険料 16,520円(16,900+100)X0.972     対前年▲70円

※平成314月から国民年金第1号被保険者(自営業者等)に対して、産前産後期間の保険料
 免除制度が施行されることに伴い、保険料が月額
100円引き上げられました 

3)在職老齢年金の支給停止基準額
①支給停止調整額の改定(令和441日施行)

 

令和3年度

令和4年度

差異

60歳代前半の支給停止調整額※

28万円

47万円

19万円

60歳代後半の支給停止調整額

47万円

47万円

60歳代前半の支給停止調整額が、60歳代後半の支給停止調整額と同じ金額となりました。

②上記変更に伴う年金受給額の変更(仮説例)
年金と報酬併給による年金支給調整の計算式(改定後)

年金支給停止月額 = (年金月額+賞与を含んだ報酬月額-47万円)X 1/2

(年金支給停止月額の改定による年金受給額変更)         (単位:万円)

 仮説例

年金月額

報酬月額

合計

調整額

差異

停止額

年金支給

改定後

20

27

47

47

0

0

20

改定前

20

27

47

28

19

9.5

10.5

差 異

19

19

-9.5

+9.5

  改定前であれば、年金月額と総報酬月額の合計額から控除される調整額がわずかに28万円だった
 ために、60歳以降働き続ける多くの方が年金支給月額のほとんどを支給停止されていました。
 これ
が改定後は調整月額が47万円と19万円増額されるために、ほとんどの方は年金が全額支給され
 るこ
ととなりました。このことは60歳代前半の特別支給の老齢厚生年金制度は、男性が令和7年で
 終了
するのに対して、女性は令和12年まで継続されるために、60歳以降もフルタイムで働き続ける
 女性
労働者にとってよりメリットが大きいといえます。政府は、少子高齢化の到来を見据えて、高
 齢期
の女性労働者の雇用確保に本格的に乗り出したと言えます。

4)第1号被保険者の産前産後期間の保険料の免除
①次世代育成支援対策として厚生年金同様、国民年金第1号被保険者の産前産後期間(出産予
 定日の属する月の前月から4か月間)の保険料を、前年度の世帯所得を問わず全額免除する
 制度が開始されます。
②平成314月より施行され、当該免除期間は保険料納付済み期間とされます。
③この財源として、国民年金保険料が月額100円引き上げられました。

2.追加情報…65歳以後の労働者への雇用保険の適用拡大

平成2911日から、65歳以上の労働者にも雇用保険法の適用が拡大されました。従来の65歳以上の被保険者に対する雇用保険法の適用は、65歳前からの継続雇用が要件とされ保険料も免除されていましたが、改正法においては要件に該当すれば年齢にかかわらず雇用保険法が適用され、保険料が徴収されることとなりました。被保険者名も高年齢継続被保険者から高年齢被保険者に変更されました。

1)高年齢被保険者資格の取得と届出時期

65歳以上労働者雇用開始時期

資格取得時期

ハローワークへの資格取得届

  1)H291月以降雇用

雇用開始より

雇用月の翌月10日まで

2)H28年12月末まで雇用、以後も継続雇用

H2911日より

特例によりH29331日まで

3)H2812月末時点で高年齢継続被保険者である労働者を、以後も継続雇用

H2911日より

高年齢継続被保険者から自動的に高年齢被保険者に切り替わるので、届出は不要

①上記(1)(2)について雇用後に雇用保険適用要件に該当時は、該当月翌月10日までハロ
 ーワークに届け出ることが必要です。

②雇用保険適用要件とは、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込が
 あることを言います。

③従来の保険年度初日に64歳以上の労働者に対する雇用保険料の免除は、平成32331
 日まで継続
されますが、平成3241日からは年齢にかかわらず雇用保険への加入が義
 務付けられ、保険料の徴収が開始されます。上記の通り、当該労働者の被保険者資格は
  H29年1月1日以降、自動的に高年齢継続被保険者から高年齢被保険者に切り替えられま
 すので、資格取得届は不要です。

   ④満60歳以上65歳未満の者への高年齢雇用継続給付は、従来通り支給されます。

2)平成29年1月1日以降の高年齢被保険者への給付内容
 平成2911日以降高年齢被保険者には要件に該当すれば、①高年齢求職者給付金、②育
 児休業給付金、③介護休業給付金(改正により給付率の40%から67%への引上げ)、④教育
 訓練給付金、が支給されます。

                                        以上

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佐野 正治

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