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世界のコロナウイルス感染者数が6.9億人、感染率が世界人口の約9%となりました
(A) (B) (B)/(A)
国 名 | 人 口 | 感染者数 (千人) | 感染率(%) | 対日本感染倍率 | 死亡者数 (千人) | 死亡率(%) |
日本 | 1億2,330万人 | 33,804 | 27.4 | 1.0 | 74.7 | 0.2 |
米国 | 3億4,000万人 | 108,127 | 31.8 | 1.2 | 1,174 | 1.1 |
インド | 14億2,860万人 | 44,997 | 3.1 | 0.11 | 532 | 1.2 |
メキシコ | 1億2,850万人 | 7,633 | 5.9 | 0.22 | 334 | 4.4 |
ブラジル | 2億1,640万人 | 37,772 | 17.5 | 0.64 | 705 | 1.9 |
以上4国計 | 21億1,350万人 | 198,529 | 9.4 | 0.34 | 2,745 | 1.4 |
4国% | 26.3% | 28.8% |
|
| 39.7% |
|
ロシア | 1億4,440万人 | 22,990 | 15.8 | 0.59 | 400 | 1.7 |
スペイン | 4,750万人 | 13,915 | 29.8 | 1.11 | 122 | 0.9 |
フランス | 6,480万人 | 40,139 | 61.4 | 2.29 | 168 | 0.4 |
イギリス | 6,770万人 | 24,671 | 36.2 | 1.35 | 229 | 0.9 |
イタリア | 5,890万人 | 25,956 | 43.0 | 1.60 | 191 | 0.7 |
スウェーデン | 1,060万人 | 2,715 | 26.6 | 0.99 | 25 | 0.9 |
クロアチア | 400万人 | 1,274 | 31.1 | 1.16 | 18.3 | 1.4 |
欧7国計 | 3億9,790万人 | 131,660 | 33.1 | 1.21 | 1,153 | 0.9 |
欧7国% | 4.9% | 19.1% |
|
| 16.7% |
|
中国 | 14億2,570万人 | 2,024 | 0.14 | 0.005 | 87.5 | 4.3 |
ベトナム | 9,890人 | 11,623 | 11.8 | 0.44 | 43.2 | 0.4 |
大韓民国 | 5,180万人 | 34,437 | 66.5 | 2.43 | 36 | 0.1 |
アジア3国計 | 15億7,640万人 | 48,084 | 3.0 | 0.11 | 166.7 | 0.3 |
アジア3国% | 19.6% | 7.0% |
|
| 2.4% |
|
ナイジェリア | 2億2,380人 | 267 | 0.12 | 0.004 | 3.2 | 1.2 |
エジプト | 1億1,270万人 | 518 | 0.46 | 0.017 | 24.6 | 4.8 |
コンゴ | 1億230万人 | 98 | 0.10 | 0.004 | 1.5 | 1.6 |
エチオピア | 1億2,650万人 | 501 | 0.40 | 0.015 | 7.6 | 1.4 |
アフリカ4国計 | 5億6,530万人 | 1,384 | 0.24 | 0.009 | 36.9 | 2.7 |
アフリカ4国% | 7.0% | 0.20% |
|
| 0.5% |
|
南アフリカ | 6,040万人 | 4,076 | 6.7 | 0.24 | 103 | 2.5 |
オーストラリア | 2,640万人 | 11,714 | 44.4 | 1.62 | 19 | 0.16 |
バングラディ・ | 1億7,300万人 | 2,045 | 1.2 | 0.04 | 29.5 | 1.4 |
以上合計63% | 50億3,620万人 | 431,176 | 8.6 | 0.31 | 4,243 | 1.0 |
その他合計37% | 30億880万人 | 259,086 | 8.6 | 0.31 | 2,663 | 1.0 |
世界全体 | 80億4,500万人 | 690,262 | 8.6 | 0.31 | 6,906 | 1.0 |
※2023月9月4日現在韓国発「新型コロナリアルタイム情報」準拠。
人口はUNFPA世界人口白書2023年版による。世界人口は初めて80億超の80億4,500万人と成った。インドが中国を抜き始めて、世界一となった。
上記の簡単な表を見ていただくと、次のような特徴があると言えます。
①米国、インド、メキシコ、ブラジルの人口合計は、世界全体の約26.3%(約1/4)であるのに
対して、コロナウイルス感染者割合は28.8%と人口比の1.1倍になっております。そしてこ
の4ヶ国平均の感染率は9.6%と日本の3分の1程度になっております。発生当初は日本の4倍
強となっておりました。最も高かったアメリカは日本の13.5倍でしたが、今では日本の1.2
倍となっております。
②上掲ヨーロッパ7ヶ国の人口合計は世界の5.1%(1/20)であるのに対して、コロナウイルス
感染者割合は19.1%と人口比の3.7倍となっております。そしてこの7ヶ国平均の感染率は
33.1%と日本の1.2倍となっております。欧州主要国の感染率がどうしてこのように高いの
かが不明です。
③これに対して、中国、ベトナム、大韓民国3ヵ国の人口合計は世界の約20%(1/5)であるの
に対して、コロナウイルス感染者割合は僅かに3%となっております。日本の感染率比ではわ
ずかに10分の1です。
④上掲のアフリカ4ヶ国の人口合計は世界の6.7%(1/15)であるのに対して、コロナウイルス
感染者割合は僅かに0.24%で、日本の111分の1と極めて低くなっております。同じアフリ
カ諸国であっても南アフリカは、近年西ヨーロッパからの移住者が多くなっており、他のア
フリカ諸国とは人種構成が異なっております。その結果かどうか、コロナウイルス感染率は
6.7%と、上記アフリカ4ヶ国の平均値の約28倍となっております。
感染率の世界の地域ごとのこの様な大きな格差はなぜ生じているのでしょうか?統計上の誤りなのでしょうか?今後の実態の解明が期待されます。また、感染率は世界の地域でこのように大きな格差が生じているのに対して、感染者に対する死亡者の割合は、メキシコ、中国、エジプトが4%台と突出している点を除けば、殆ど1%台と極めて近似値となっております。
アジアにおいて、コロナウイルス感染率が低いのは、次のような要因があると言われております。①ウイルス自体の要因…欧米とアジアで流行っているウイルスの遺伝子が異なり、症状の出方が違う ②環境的な要因…衛生観念や生活習慣(マスクをする習慣等)、住環境、人口密度、貧富の差、医療
レベル等の相違
③過去の経験の差…アジアでは過去におけるSARSやMERSの経験が生きている
④人側の要因…感染する側の遺伝子的差異による相違。心臓病や糖尿病等の持病があると重症化する
しかしこれだけでは、上記記載の地域的な感染率の大幅な格差の原因をうまく説明できません。その原因の究明は、これからの研究成果に委ねられることとなります。そして今注目を集めているのが、人側の要因・人の有する遺伝子の違いにより、感染者の症状が重症化するとする学説です。
ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所のスヴァンテ・ペーボ教授らは、現生人類の遺伝子中に、ネアンデルタール人の遺伝子が受け継がれている事を、2020年9月30日付英科学誌ネイチャーに掲載し、大きな反響を呼びました。ペーボ教授は同年5月から沖縄科学技術大学院大学でも兼任しておられます。更に同教授は、長年に亘る現生人類が古代人から受け継いで来た「古代DNA」の研究成果が認められて、2022年ノーベル生理学・医学賞受賞の栄に浴しておられます。
教授らは第3染色体中の遺伝子が、ネアンデルタール人と現生人類(ホモ・サピエンス)の祖先が約6万年前に交雑して、受け継がれたものだと解明しました。当該遺伝子を持つ人が新型コロナウイルスに感染すると、人工呼吸器を必要とするほど重症化する可能性が、最大で約3倍に増えると述べておられます。
尚、ネアンデルタール人とは、1856年にドイツ・デュッセルドルフ郊外のネアンデル渓谷の洞窟から化石化した骨が発見されたのでそう命名されました。ホモ・サピエンスのホモとは「人」、サピエンスとは「知恵」を意味し、「知恵のある人」を意味するそうです。
同教授によると、西ヨーロッパ、南北アメリカ、南アジア、そして南アジアを経由してオーストラリアにおいては、ネアンデルタール人の遺伝子が高率で引き継がれているのに対して、日本を含む東アジア、アフリカではほとんど見られないことが確認されたそうです。同遺伝子を高率で引き継いでいる地域はコロナウイルスへの感染率が高く、同遺伝子を低率で或は全く引き継いでいない地域はコロナウイルスへの感染率が低い可能性を示唆する研究結果となっております。
この点は、上記「1.日本と諸外国のコロナウイルス感染率と死亡率の比較」表と、下記「スヴァンテ・ペーボ博士によるネアンデルタール人の遺伝子伝播地図」とを見比べていただければかなりの相関性が存する事が見て取れると思います。今後の研究により、当該遺伝子とコロナウイルスへの感染率との関連性が明らかになるのではと期待されます。
ご興味をお持ちの方は、次の図書をご一読ください。
・「ネアンデルタール人は私たちと交配した」スヴァンテ・ペーボ著、2015年文芸春秋社刊
・「サピエンス全史」(ユヴァル・ノア・ハラリ著、2016年河出書房新社刊)
(スヴァンテ・ペーボ博士によるネアンデルタール人の遺伝子伝播地図)
(注)およそ50万年前にアフリカ中東部を出たネアンデルタール人は、ヨーロッパや中東地域に分布していたが、それより遅くアフリカを出た現生人類(ホモ・サピエンス)と約6万年前に中東地域で交雑した後、世界に広がっていったとしております。円の中に占める赤い面積の大きな地域ほど、先祖の時代からの定住者がネアンデルタール人の遺伝子を多く引き継いでいるとしております。
1)これまでの主な感染症の歴史
下記一覧表を見てお解りの通り、今回のコロナウイルス禍感染症は、100年前に発生したスペイン風邪ほどではないが、その他の感染症とほぼ同様のパンデミックとなっている事は一目瞭然です。嘗てのパンデミックの全てが数年のうちに終息しており、今回のコロナウイルス禍も、数年のうちに終息する事が期待されておりました。しかしながら発症後丸4年が経過した2023年に至っても、そのピークは過ぎたとは言いながら、未だ収束には至っておりません。世界における人口の移動が頻繁になり感染症の蔓延を助長しており、それだけ地球が狭くなっているとも言えます。今回のコロナウイルス禍の一日も早い終息を祈念したいと思います。
(近年の感染症とコロナウイルス禍の比較)
病名 | 発生年 | 世界人口 | 感染者数(%) | 死亡者数(%) | ウイルス名 |
ロシア風邪 | 1889~1894 | 15億 | ? | 1百万人 | H1N1亜型・A型インフルエンザ |
スペイン風邪 | 1918~1920 | 18億 | 5億(28%) | 50百万人(10%) | 〃 |
アジア風邪 | 1957~1958 | 28億 | ? | 2百万人 | H2N2亜型・A型インフルエンザ |
香港風邪 | 1968~1969 | 32億 | ? | 1百万人 | H3N2亜型・A型インフルエンザ |
COVID-19 | 2019~ | 79億 | 6.9億(8.8%) | 6.9百万人(1%) | SARS-CoV-2・新型コロナウイルス |
・スペイン風邪の本当の発信源は、アメリカ・カンザス州の陸軍施設からだったそうですか
ら、本来はアメリカ風邪と呼ぶべきだったかもしれません
・COVID-19とはcoronavirus disease 2019(2019年に発生した新型コロナウイルス感染
症)を略した言葉だそうです・・・上記は6月8日現在の実績
・上記死亡率は、死亡者数を感染者数で割ったものです
・上記の感染者数等は今回の感染症を除き、正確な統計値が存在せず専門家による推計によ
ります
2)かつてのスペイン風邪とコロナウイルス禍との比較
| 人口 | 感染者数 | 感染率 | 死亡者数 | 死亡率 |
スペイン風邪(A) | 18億 | 5億 | 28% | 50百万人 | 10% |
コロナウイルス(B) | 79億 | 6.9億 | 8.8% | 6.9百万人 | 1% |
倍率(C)=(B)/(A) | 4.4倍 | 1.4倍 | 約1/3 | 14% | 約1/10 |
かつてのスペイン風邪の感染率は28%だったと言われております。今回のコロナウイルス禍の感染率は8.8%ですから約3.2倍だったわけです。今回のコロナウイルス禍の感染率もスペイン風邪と同じであったとすれば、感染者数は6.9億人の3.2倍の22億人、3.6人に1人感染したことになります。死亡率(感染者数に対する死亡者数)もコロナウイルス禍では1%であるところ、スペイン風邪では10倍の10%となっております。もし感染率が同じであれば、今回のコロナウイルス禍の死亡者数も10倍の約7千万人になっていたかもしれません。
今回のコロナウイルス禍の感染率に関して言えば、世界全体の感染率が8.8%のところ、日本は27.4%と4人に1人、アメリカやヨーロッパの先進国は概ね3人に1人ときわめてたかく、前回のスペイン風邪とほとんど同じ感染率となっております。概して言えば、先進国のコロナウイルス禍感染率は高く、後進国におけるそれは極めて低い傾向があると言えます。世界全体ではこのように地球上の地域的差異により、どうしてこのような大きな格差が生じているのかが未だ不明です。
今から約100年前のスペイン風邪の死亡率(感染者に占める死亡者数)は10%と、感染者の10人に1人が死亡したと言われております。それに対して今回のコロナウイルス禍の死亡率は、メキシコ、中国、エジプトが4%台と突出していることを除けば、それ以外の国は殆ど1%前後と極めて低く収まっております。これはスペイン風邪発症当時の世界の医療水準は極めて低く、感染者に対する効果的な治療がほとんど行われなかったのに対して、今回のコロナウイルス禍においては当時に比べて医療水準が世界的に且つ、飛躍的に進歩したおかげとする意見もあります。今後の実態の検証が待たれます。
以上
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